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変形性関節症を抱える犬に対するベジンベトマブの効果を検証した研究

投稿者:武井 昭紘

神経成長因子(nerve growth factor)をターゲットにしたモノクローナル抗体は、抗体医薬とも呼ばれ、犬の変形性関節症の治療薬として注目されている。そのため、各国での承認を経て、広く流通することが期待されており、その効果を立証することが求められているのだ。

 

冒頭のような背景の中、世界的な医薬品メーカーZoetis社は、一次診療施設で変形性関節症の診察を受ける犬270匹以上を対象にして、抗体医薬の一つ、ベジンベトマブの効果を検証する研究を行った。なお、同研究では、犬を①プラセボ群(生理食塩水を皮下注射)と②ベジンベトマブ投与群(0.5〜1.0 mg/kg SC 月1回)の2つに分け、両群の治療経過を2つの疼痛スコアを用いて評価している。また、両スコアが一定程度低下した場合に治療が成功したと判定している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆変形性関節症を抱える犬に対するベジンベトマブの効果◆
・①②ともに治療開始から84日目まで疼痛スコアは継続的に改善した
・治療成功率は①で約37%、②で約47%であった(有意差あり)
・②では日を追うごとにQOLが改善した
・有害事象に関しては両群に差はなかった

 

上記のことから、ベジンベトマブは犬の変形性関節症に効果があると考えられる。また一方で、プラセボ群でも疼痛スコアが改善していること、および、ベジンベトマブの投与で改善しない症例が存在していることが窺える。よって、今後、プラセボ群の回復に関与するファクターの特定が進むとともに、そのファクターを考慮した上でベジンベトマブを適応した方がより良い改善を見込める症例を判別する方法が考案され、当該疾患の治療法(抗体医薬での治療と抗体医薬以外の選択肢)が確立されることに期待している。

同研究では、治療必要例数(number needed to treat、NNT:1例の治療を成功させるためにベジンベトマブの投与を試みなければいけない症例数)も算出されており、日を追うごとに19.6 (治療開始から7日目)、9.2 (14日目)、9.3 (28日目)、6.2 (42日目)、6.1 (56日目)、4.3 (84日目)と減少したとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37541934/


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