小動物臨床にて診療対象となっている主な動物が犬と猫であるためか、『ウサギは保定しただけでも骨折する』という獣医師の不安を煽るイメージが先行しているためか、オーナーから依頼を受けたとしても、ウサギの診察を断る動物病院は少なくない印象を受ける。しかし、読者の皆様、特に「断る」獣医師は、ここで立ち止まって想像して欲しい。おそらく、いや、定めて、診察を断られたオーナーは、ウサギを診られる動物病院を必死に探そうとしていることを—–。
そこで、本稿では、イギリス国内で提供されているウェブサービスを紹介し、ウサギのオーナーが「探す」という手間を省くことが叶うであろう一つの解決策を述べたいと思う。
なお、そのサービスとは、イングランド南西部（ウェールズ地方の南）に位置するサマセットに拠点を構えるRabbit Welfare Association & Fund（RWAF）という非営利団体が運営しているウェブサイトに掲載されているもので、名称を「Rabbit Friendly Vet List」という。このリストは文字通り、ウサギに優しい診療を行う動物病院あるいは獣医師をイングランドを中心にして纏めた一覧表であり、自宅から一定の距離にあるRabbit Friendly（キャットフレンドリーのウサギ版）な動物病院を視覚的に（地図の上で）把握できるシステムを導入しているとのことである。さらに、リンク先のサイトを閲覧頂ければ一目瞭然となるが、地図の上のピンをクリックすると、病院名、所在地、電話番号が表示される仕組みとなっているのだ。
上記のことに加えて、筆者の経験談となるが、ウサギの診療を始めた動物病院には自然とウサギを連れて来院するオーナーが集まることを考えると、Rabbit Friendly Vet Listは、本国で暮らす多くの人々に必要とされていると推察できる。よって、将来的に、日本版Rabbit Friendly Vet Listが作成され、ウサギとそのオーナーが「何処にいても」安心してペットライフを送れる未来が訪れることを願っている。
リストに上がっている動物病院は、GoldとSilverの2つのランクに分かれているとのことです。
参考ページ：
rabbitwelfare.co.uk/rabbit-care-advice/rabbit-friendly-vets/rabbit-friendly-vet-list/
