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アメリカ獣医師会が提唱するシンプルで重要なペットの健康管理7ヶ条

投稿者:武井 昭紘

臨床現場で、病気になった多くのペットを診ていると、これを、あれを、『していてくれれば、重い病気にならなかったかも知れないな』という考えが頭に浮かぶことに、度々、直面する。しかし、獣医師から見ると、前述した「たられば」は予防医学という概念の一端で、常識と言って過言ではないのだが、オーナーからすれば、病気のリスクが高くなる実感も無く、費用が嵩むことばかりのように感じてしまうのだと推察もできるのである。だからこそ、おそらく、このような「伝えたいけど伝わらない」ジレンマ、あるいは、もどかしさは、小動物臨床が抱える永遠の課題なのだとも思うのだ。

そこで、本稿では、アメリカ獣医師会(AVMA)が提唱している「ペットの健康管理7ヶ条」の言葉を借りて、改めて、永遠の課題に挑戦しつつ、日本で飼われているペットたちの健康を願う切なる想いを訴えたい。

 

なお、AVMAのホームページによると、以下に示す事項が7ヶ条とのことである。

◆ペットの健康管理7ヶ条◆
①適正体重で管理する
②運動をさせる
③栄養バランスを考えたフードを与える
④年1回は健康診断を受けさせる
⑤致死的経過を辿るウイルス感染症に対するワクチンを接種する
⑥ノミ、ダニ、フィラリアの予防をする
⑦不妊・去勢手術を受けさせる

 

上記のことは、至極シンプル(獣医師およぼ動物看護師は知っていること)で、それでいて、大変に重要なこと(一部のオーナーには実感できないこと)ではないだろうか。よって、自分が勤務する動物病院を訪れるペットたちの健康を守るためにも、寒さの中に暖かさが入り交じり、予防の時期も間もなく迎える早春という季節に、是非、今回紹介した7ヶ条をオーナーへ啓蒙して頂けると幸いである。

AVMAによると、致死的経過を辿るウイルス感染症の一例として、狂犬病ウイルス、ジステンパーウイルス、パルボウイルス、汎白血球減少症ウイルスが挙げられています。

 

参考ページ:

https://www.avma.org/public/PetCare/Pages/pet-health.aspx


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