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椎骨左心房総計法と心エコー図所見の関連性を検証した研究

投稿者:武井 昭紘

2018年11月に取り上げたカリフォルニア大学の椎骨左心房総計法(VLAS)は、心臓全体を一つの組織と捉えて測定する椎骨心臓総計法(VHS)よりも、左心房拡大に特化したX線検査として、今後の発展が楽しみな新しいアプローチ法であると考えられている。しかし、このVLASには、未だ、課題点が残されており、VLASから得られる数値と、心エコー図検査の各項目との関連性を明確にしていくことが、精度または再現性を高めるために必要であることは否めない。

そこで、獣医学部を含むヨーロッパの大学らは、大動脈と左心房の大きさを比較するLA/AO比に着目して、犬におけるVLAS(本研究ではRLADと称される)が高値となるタイミングについて検証を行った。すると、相関係数0.82をもって、VLASとLA/AO比は、正の相関関係にあることが明らかになった。加えて、大学らによると、VLASのスコア1.8をカットオフ値に設定した際の左心房拡大(LA/AO比 >1.6)を検出する感度および特異度は、それぞれ93.5、96.8になるとのことで、VLAS(RLAD)の有用性が示される結果が得られたとのことである。

よって、上記のことをモデルに、「VLAS(RLAD)の上昇は超音波学的に何を意味するのか」について、多角的な視野から解析され、X線検査における心形態学的評価が見直されていくことに、これからも期待している。

VLASとBNPなどのマーカーに関しても、相関係数を算出すると、VLASの真価が、更に把握できるのかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30568788/


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