日本では、ペットフード安全法で規定されている通り、ペットへの健康被害を防止するために、消費者に分かりやすい方法によって、フードの名称、賞味期限、原材料名、原産国などの表示を製品に添えることが義務付けされている。しかし、原材料の生産者および加工製造業者すらも把握できない成分の混入は、「異物混入」というワードとともに報道されるニュースを耳にするように、ヒトの食品でも珍しくないことで、ペットフードにおける実態を調査することも、小動物臨床の予防医療にとって重要であると考えられる。
そのような背景の中、イタリアの大学は、14ブランド40種のペットフードに含まれる成分を解析し、以下に示す結果を得たとのことである。
◆ペットフードの成分表示と実際の成分◆
・90%以上のブランドで成分表示に誤記が確認できる
・約12%の製品は表示して「いる」成分を含んでい「ない」
・約60%の製品は表示して「いない」成分を含んで「いる」
・加水分解フードよりも新規タンパク質フードの方が非表示成分の混入が多い
このことより、症状(嘔吐、下痢など)の発現・消失やアレルギー検査結果に基づいた食餌管理の精度を高めるためにも、本国でも、ペットフードの成分に関する実態調査を進めることが望ましいかも知れない。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29945610