日本は、北海道、本州、四国、九州と呼ばれる4つの陸地に離島が合わさり構成されている島国であるため、他国との境界線の全てが海上に存在しており、諸外国を「海外」と表現する文化を持つ。故に、飛行機事故、災害、テロなどの被害者からボランティア・事業資金の助成などの支援事業至るまで、日本(日本国籍)と海外(海外の国籍)を区別する傾向が強い。しかし、医療サービスの提供、特に、One Healthにおいてボーダーラインは何処にも無く、目には見えない境界線を越えた国際的な協力が非常に重要であると考えられる。
そこで、ある取り組みを本稿にて紹介したい。
カナダのオンタリオには、Veterinarians Without Borders(VWB)と呼ばれるボランティア団体が組織化されており、団体名の直訳「国境なき獣医師団」の文字通り、グローバルなOne Healthを目指して、主に東南アジアおよびアフリカ大陸における獣医療(犬のワクチネーションや不妊・去勢手術)または酪農事業の支援を計画し、日々、活動を行っている。
上記のことから、日本も、「海外」という概念を捨てて、資金援助とは異なる国際貢献という観点に立ち、世界各地で活躍できる獣医師の養成を積極的に検討するべきであると思われる。
参考ページ:
https://www.vetswithoutborders.ca/