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CT検査を用いてフレンチ・ブルドッグの骨盤計測を行った研究

投稿者:武井 昭紘

フレンチ・ブルドッグは、皮膚病、外耳炎、消化器症状(嘔吐、下痢)など様々なトラブルを起こしやすい品種とされている犬である(ペット保険会社調べ)。また、このトラブルの中には、難産も含まれており、これは、帝王切開を選択せざるを得ないまでに深刻で、母体・胎児ともに生命存続の危機に陥る可能性すら生じてしまう。つまり、フレンチ・ブルドッグの難産に関与するファクターを解析し、予防策の考案へと繋げることが非常に重要であると言える。

そこで、ユトレヒト大学らは、フレンチ・ブルドッグの骨盤の形状に着目して、CT検査上の所見を確認した。すると、当該犬種は、短頭種以外の30品種と比較して、以下に示す特徴を有することが明らかとなった。

◆フレンチ・ブルドッグの骨盤の形状◆
・骨盤の横幅と縦幅が短い
・産道が通る骨盤内腔の入口と出口が狭い

上記のことから、骨盤の形態学的に難産のリスクが取り分け高い、つまり、ブリーディングに適さない個体を識別する骨盤計測法が確立できるかも知れない。よって、CT検査データを基にして、一次診療で取り組みやすい身体検査およびX線検査における計測法の開発とガイドライン化を期待している。

フレンチ・ブルドッグ=難産というイメージが払拭できるほどに、本研究が進展していくことを願っております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29906664


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