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動物たちのレスキュー活動 倒壊家屋から愛犬救出 能登半島地震

投稿者:AsaT

チームうーにゃんは、1月2日より石川県各被災地へ向かい、動物たちのレスキュー活動、捜索活動を開始。必要な支援物資を運んだり、治療が必要な動物たちの処置をしたりしている。

記事によると、最大で震度6強を観測した石川県輪島市。災害時のペットの捜索救助を担う「チームうーにゃん」(千葉県船橋市)代表の田中麻紀さん(55)は、メンバー1人とともに現地に入った。輪島市町野町に住む80代女性の親族から依頼を受け、女性と暮らしていた愛犬のトイプードル(9歳・雄)「ムーム」を助けるためだという。

8年前の熊本地震で、18日間にわたり生き埋めになっていた犬をレスキューしたチームうーにゃん。輪島市に向けて地震翌日の2日夜に千葉を出発した。輪島市に入ってから土砂崩れで車が進めず、歩いて現場にたどり着いたのは3日夜。町野町は集落の古い家屋のほとんどが崩れており、孤立状態になっていた。

「ムーム、ムーム」。4日朝から、女性宅の近くで名前を繰り返し叫んだ。周囲は家屋に使われていた柱や壁ががれきとなり、中の様子はうかがえない。しばらくすると、家屋の中から小さな鳴き声が返ってきた。

この頃は、人間で言えば生存率が大幅に下がるとされる「発生72時間の壁」が間近に迫っていた。近くにいた自衛隊員2人も手助けし、約2時間かけて慎重にがれきをよけた。隙間(すきま)から顔をのぞかせたムームに餌を見せて気を引くと、一気に首輪をつかんで引っ張り出した。

自宅が倒壊し、ムームを置いて行かざるを得なかった女性。被災後は離ればなれになってふさぎ込んだが、救出を聞いて元気を取り戻したという。

ムームは、石川県に近い富山県高岡市まで駆けつけた女性の息子らに引き渡された。「しっぽをばたつかせて、息子さんの顔を何度もペロペロなめていました。諦めないで本当に良かった」。田中さんは胸をなで下ろした。

災害時にペットをどう守っていくか。飼い主とともに避難できなければ野生化したり、負傷したりするリスクがある。一方、避難はできても、衛生面やアレルギーを理由に避難所に入れないケースも想定される。

動物愛護を担当する環境省は東日本大震災(2011年)や熊本地震(16年)を教訓とし、被災時のガイドラインを整備している。事前に十分なしつけをし、ペットフード、ペットが入るケージを準備して避難先までは飼い主と一緒に行動するよう勧めている。

避難したペットは飼い主とは別に、避難所の敷地内に設けられたケージで避難生活を送ることが少なくない。田中さんは他の避難者とすみ分けしたうえで、飼い主と同じ部屋で過ごせるのが理想だとし、「一緒にいることが被災のストレス軽減になる」と話す。  ただ、飼い主側の責任もある。

田中さんは「いざという時にペットの命を守り、避難先でも受け入れられるよう、飼い主はワクチン接種などを欠かさないようにしなくてはならない」と指摘する。

環境省は今回の地震に伴って建設が始まった仮設住宅で、飼い主がペットと同居できるよう石川県に要請している。田中さんはペットの救助や捜索に加え、物資調達などで長期的に支援していく考えで、「ペットの命を一つでも多く助けることで、被災した飼い主さんの生きる希望になってほしい」と話している。

能登半島を襲った地震から4日目、捜索隊は小さな鳴き声を聞き逃さなかった。倒壊した家屋の中から助け出したのは、9歳で雄のトイプードルだった。「ムーム、よく頑張ったね」。飼い主の大切なパートナーになっているペットも被害に遭っており、専門家は「被災のストレスは飼い主と同じ。ケアをしてあげて」と話す。


https://mainichi.jp/articles/20240116/k00/00m/040/223000c

<2023/01/16 毎日新聞>

動物たちのレスキュー活動 倒壊家屋から愛犬救出 能登半島地震(記事と写真は関係ありません)

 


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