「ウサギは寂しいと死んでしまう」
これは、何らかのドラマ、あるいは、漫画(アニメ)で放送された言葉だとされており、その影響力は遥かに強いようで、いつの間にか一般の方々へと「真実」として広まり、インターネット上には実しやかに「寂しいウサギの死」が語られるようになってしまった。しかし、(無論と言うべきか)この真実は迷信であり、ウサギは、お留守番もできるし、1匹で飼育することができる可愛らしいペットだということは、多くのオーナーがご存知のことと推察する。だが、現在、「死」とまでいかないまでも、イギリス獣医師会(BVA)をはじめとする3つの動物関連団体は、冒頭のフレーズの一部を肯定するかの如く、ウサギの寂しさを啓蒙する、あるハッシュタグを発信するようになった—–。
「#ItTakesTwo」
本来、草食動物であるウサギは被捕食者であり、野生では一定の社会性も持ちコロニー(集団)を形成し、捕食者からの脅威を分散しながら、安心した生活を送る。つまり、単独で飼育すると、ウサギは常に仲間を探してしまうのだ。このような概念のもと、ウサギをペアで飼育することを推奨するハッシュタグとして、「#ItTakesTwo」は生まれた。
3団体は、述べる。動物病院を訪れるウサギの約半数が単独での飼育下にあり、彼らを診察した経験がある獣医師の73%は、彼らの飼育環境に福祉上の問題が存在していると感じていると。果たして、一般家庭で飼われているウサギは何を想うか。明確な回答を彼らから得られる訳ではないが、ツイッター上で「#ItTakesTwo」に添えられたメッセージを契機に、ウサギの福祉を真剣に向き合うヒトが増えることを願っている。
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