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コロナ禍の状況が変化することに伴ってイギリスで急増する「犬を手離す」決断

投稿者:武井 昭紘

320万匹。
これは、新型コロナウイルスによるパンデミックに伴って講じられたロックダウンなどの制限下で、イギリスにて新しく飼い始められたペットの数だ。その影響は凄まじく、子犬の販売価格が「以前」の2倍以上、実に1900ポンド(約28万9000円)に達するほどだという。そして、2021年7月19日。同国のコロナ対策の多くが解除された。すると、状況は一変する。おうち時間が減ったオーナーたちが、犬を手離す決断を検討するようになったのである。

35%増。
最近の数週間で、動物関連団体に寄せられる相談が増えた。内容は、「犬を手離す」ことに関するもの。どうやら、「以前」に近い形の日常に戻ることが、ペットへの関心を薄れさせようだ。また、大人へと向かう成長過程で活動的となった犬たちの行動が手に余るということもあるかも知れない。それは、インターネットで”giving up your dog”、つまり「犬を手離す」ことについての情報を掲載するウェブサイトでのアクセスが180%増加(2021年2月7月の比較)していることからも窺えるとのこと。

コロナ禍でペットを飼い始めたオーナーの半数以上は16歳~34歳と若く、彼らが「手離す動き」の中心だという。通学、仕事、遊びなど、外へ出る機会が多い世代である。その機会が増えて、ペットブームから覚めたということだろうか。いや、「覚めた」という理由で手離して良いわけがない。ペットたちの命は、何年十何年と続くのだから。果たして、コロナとヒトに翻弄される犬たちの運命は。今後の動向に注視するとともに、彼ら(犬たち)が幸せに暮らせる環境と巡り会うことを祈っている。

おうち時間が増えた時期にペットを飼い始めた方が全員、終生飼養(ペットの生涯に責任を持って飼うこと)を貫いて頂けることを願っております。

 

参考ページ:

https://www.bbc.com/news/uk-58518892


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