眼科疾患に対する治療法の一つに点眼処置があり、小動物臨床でも広く普及している。しかし、点眼製剤は液状または軟膏タイプが大半で、液状は眼の表面に留まる時間が短く、軟膏は一時的な視界の悪化やペットオーナーにとっての扱いにくさというデメリットを抱えているため、「眼の表面に留まるが視野への影響が少ない」剤型を開発することが、医療技術の向上に繋がると考えられる。
そこで、イランの大学は、使用前は液状(ゾル)かつ点眼後は固形(ゲル)となるゲル化点眼液の組成と効力に着目して、ウサギを用いた研究を行った。なお、同研究では、生体を構成する水分・油分に馴染みやすいプルロニックとゾル・ゲルの変換作用を持つカルボマーと呼ばれる2つの物質の割合をコントロールすることで、黄金比を模索している。
今回紹介した調剤法に関する研究が進めば、前述の課題を克服した理想的な点眼薬を流通させることができるかも知れない。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29881404