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犬の筋間脂肪腫の内部から発見された悪性腫瘍の一例

投稿者:武井 昭紘

犬の筋肉に発生する腫瘍の一つとして、筋間脂肪腫が知られている。また、この疾患は、スペースが限られた筋組織に病変が発生するため、痛みや関節可動域の制限を認める場合、外科手術が検討される。ただし、名称の通り、「脂肪腫」は良性であり、生命の危機に直結するものではないとされている。

今年10月、モントリオール大学は、前述の概念を根底から覆す症例を報告した。同大学によると、ゴールデン・レトリーバー(11歳の齢、去勢オス)から摘出した筋間脂肪腫の病理組織検査において、当該脂肪腫の内部に、血管肉腫が確認できたとのことである。

上記のことから、「表面的には」良性であっても、悪性腫瘍が潜んでいる可能性を考慮して、外科的切除を検討するべき症例が、世界各地に存在しているのかも知れないと推測できる。

今後、腫瘍細胞の種類を特定する既存の診断手技とは異なる視点で、良性腫瘍の内部を含めた、「体内の何処かに悪性腫瘍がある」と仮診断が行えるバイオマーカーの開発が進んでいくことを願っております。

今後、腫瘍細胞の種類を特定する既存の診断手技とは異なる視点で、良性腫瘍の内部を含めた、「体内の何処かに悪性腫瘍がある」と仮診断が行えるバイオマーカーの開発が進んでいくことを願っております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28966362/?i=10&from=dog


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