冬が厳しくなるにつれて、犬猫の膀胱炎に遭遇する機会が増える。この膀胱炎の原因は様々で、例えば、細菌感染の場合では、抗生剤が適応される。ただし、細菌の種類により、効果がある薬剤は異なるため、病原菌の同定が望ましいと考えられるている。しかし、全ての動物病院が、細菌の同定をする施設を整えている訳ではないため、大規模な設備投資をしなくても良い同定キットの流通は、非常に重要である(今回の記事では外部検査機関への依頼には触れない)。
そこで、カリフォルニアに拠点を置くSilver Lake Research社は、細菌分類学の一つであるグラム染色の判定、つまり、陰性または陽性を院内で簡易チェックできるキットRapidBac™Vetをリリースしている。同製品は、犬猫の尿サンプルから20分以内に結果が得られる特徴があり、グラム陽性の的中率95%、グラム陰性の的中率99%を誇る。
上記のように、グラム陽性と陰性を迅速に鑑別できるようになれば、第一選択の候補となる抗生剤の種類を容易に絞れるはずである。
今後、RapidBac™Vetが、日本の獣医療でも展開されていくことを期待したい。
参考ページ: