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猫に感染する3つの病原体(フィラリアを含む)を同時に検出できる院内血液検査キット

投稿者:武井 昭紘

猫の感染症には、犬とは異なる、独自の病原体が知られており、猫免疫不全ウイルス(FeLV)や猫白血病ウイルス(FIV)が代表例である。また、猫フィラリア症は、犬とは相違点が多く、「診断」自体が困難とされている。前述の現状を考慮すると、FeLV、FIV、猫フィラリア症を効率良く(一度に纏めて)確認できる検査手技が存在すれば、猫に対する医療は、一歩も二歩も前進するはずである。

そこで、zoetis社は、3つの病原体を同時に検出する院内キットWITNESS® FFHをリリースした。同製品は、当該感染症検査の既製品と共通点があり、血液をサンプルとして、僅か10分で結果を表示する特徴がある。さらに、必要な試薬が統一(1種類のみ)されていることも、キットの利便性を高めていると思われる。

今後、WITNESS® FFHが日本の小動物臨床でも流通するようになれば、猫フィラリア症の確定診断法(感度96.3%、特異度100%、注1)の一つとなる可能性が期待できる。加えて、「3つを1つのシステムで見付ける方式」は、各病原体の検査を別々に実施することに伴うペットオーナーの医療費負担を軽減して、検査に踏み切る症例数を増加させる(金額を気にして検査を回避するオーナーを減少させる)かも知れない。

原因不明のまま斃死してしまう「隠れた猫フィラリア症」が、一つでも多く発見されることを願っております。

今回紹介したキットが普及して、原因不明のまま斃死してしまう「隠れた猫フィラリア症」が、一つでも多く発見されることを願っております。

 

参考ページ:

https://www.zoetisus.com/products/cats/witness-ffh.aspx


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