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遺伝病の蔓延を抑止するための猫用遺伝子検査キット

投稿者:武井 昭紘

小動物医療に関わる獣医師や動物看護師にとっては本望ではないことかも知れないが、命があるペットには「流行(はやり)」がある。この流行は、ブリーダーやペットショップからすると、注目すべき(知っているべき)ことであり、事業で得られる利益に繋がるもの(人気犬種・猫種は売れやすいため)である。しかし、人気の裏には「闇」が生まれることも珍しくなく、乱繁殖による遺伝病の蔓延は大きな問題となる場合がある。

そこで、ロイヤルカナンやアイムスを傘下に抱える食品メーカーであるMARS社は、繁殖(ブリーディング)の段階で遺伝病の蔓延を防止するための遺伝子検査キット(Optimal Selection™ Feline Genetic Breeding Analysis)をリリースしている。このキットでは、心筋症(ラグドール、メインクーン)を含む32の遺伝病をチェックできるようになっており、キャリアを繁殖に用いないために、ブリーダーに向けて販売されている。さらに、得られた検査結果は、オンラインで閲覧できるデータに集約され、世界中のブリーダーおよび猫愛好家が共有できるシステムを用意しているとのことである。

上記のことから、Optimal Selection™はブリーダーの繁殖プログラムを適正に保つためのツールとして機能すると同時に、猫愛好家における繁殖でも遺伝病を排除する(キャリアを繁殖に使わない)効果を発揮できることが期待される。今後、検査キットが、更に多様な遺伝病に対応できるようになれば、犬および猫の遺伝病を撲滅することも可能となるかも知れない(同様の犬用キットも製品化されている)。

繁殖レベルで遺伝病の可能性が排除できるようになれば、悲しむペットオーナーや苦しむ猫を減らすことができると思います。

繁殖レベルで遺伝病の可能性が排除できるようになれば、悲しむペットオーナーや苦しむ猫を減らすことができると思います。

 

参考ページ:

http://www.wisdompanel.com/optimal_selection_cat/


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