2013年、米国医師会(American Medical Association)は肥満(過体重)を病気と認定した。この動きに合わせるように、獣医業界では米国ペット肥満防止協会(Association for Pet Obesity Prevention、APOP)が、ある調査を行った。
調査には、136の動物病院が協力し、1224匹の犬猫が参加し、ボディコンディションスコア(BCS)の測定が行われた。結果、54%の犬および58%の猫が、標準体重より重い肥満状態であったことが判明した。
APOPは、過半数を超える犬猫が肥満である原因として、獣医師および飼い主さんの「体重の評価」に対する認識が甘いことを挙げている。
今後の活動として、APOPは世界標準(世界で共通して使われる)のBCSを作成することを目標としている。また、獣医師への体重に関する再教育も視野に入れている。
APOPの活動が進展すれば、日本の獣医業界にも「肥満は病気である」という考え方が広まっていくことが予想される。そうなれば、獣医師個人の主観でペットの体型を評価することはなくなり、全世界共通の客観的評価において、体型をチェックしていくことになるかも知れない。
そして、肥満が病気であるという認識に立てば、治療が必要であるという発想も自然と出てくるはずである。体重が重いこと、肥満であることを「太りすぎ」で片付けないことは、病気の動物を治療するという動物病院の本来の機能は果たす上で、非常に重要なことになっていくと思われる。
参考ページ:
https://www.avma.org/News/JAVMANews/Pages/160615o.aspx