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聴導’猫’がオーナーを助ける~2023年のNational Cat of the Yearを受賞した猫~

投稿者:武井 昭紘

7月17日月曜日。
イギリスはロンドン。

同国で猫の福祉向上を目指す大規模な動物保護団体Cats Protectionが主催するNational Cat of the Yearの受賞者が決定した。名前はゼビー。ロンドンの北東、マンチェスターやリバプールに程近いダービーシャー州チェスターフィールドで暮らす猫だ。受賞理由は、聴覚障害のあるオーナーをサポートしていること。そう、まさに聴導犬の如く、彼女(オーナー)を支えていたのだ。

 

ゼビーは、補聴器を装着していないオーナーの耳の代わりをしている。電話が鳴ると彼女をタップし、玄関の前に誰かが立ち止まると彼女の周りを歩くという。想像にするに、そのレベルに至るまでの訓練は厳しいものだったと思われる。しかし、ゼビーは特段、訓練を受けたことはないとのことだ。オーナーは述べる。独り暮らしで、耳が聴こえないこと。それは即ち、孤独を意味すると。だが、ゼビーが居ることで孤独は感じない。ゼビー無しの生活は考えられないと。

 

日本全国にオーナーの居ない猫、保護猫が溢れ返っている現状を念頭にして、筆者は想う。彼らがゼビーのように障害を持つヒトのパートナーになれば、お互いを支え合う幸せな生活が送れるのではないかと。ゼビーは如何にして聴導’猫’の能力を手に入れたのか。そして、その能力は他の猫にも獲得できるものなのか。今後、ゼビーのNational Cat of the Year受賞をキッカケに、聴導猫を誕生させるトレーニング方法が確立し、多くの保護猫がウィンウィンの関係で里親に向かい入れてもらえる未来が訪れることを願っている。

オーナにとって、ゼビーはヒーローだとのことです。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/22708/Hearing-cat-crowned-National-Cat-of-the-Year


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