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バーニーズ・マウンテン・ドッグの難産・帝王切開に関する統計学的研究

投稿者:武井 昭紘

ある動物の品種を保存し適切に繁殖させていくためには、その品種に起きるかもしれない周産期疾患の詳細を把握する必要がある。中でも、難産は母体および新生仔の命を脅かすものであり、彼らを助けるために医療費も高騰しやすい疾患なのである。つまり、種一つひとつを取り上げて、難産(あるいは帝王切開)に関する疫学を明らかにしていくことが重要と言えるのだ。

 

冒頭のような背景の中、イタリアのパデュー大学は、スイス原産のバーニーズ・マウンテン・ドッグ(①母にあたる犬、②父にあたる犬、③生まれた子犬)に関するデータを解析する研究を行った。なお、同研究では400匹以上の①、200匹以上の②、1100匹以上の③が対象となっている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆バーニーズ・マウンテン・ドッグの難産・帝王切開に関する疫学◆
・30%以上の母体が帝王切開を経験した
・そのうち2%は計画的な帝王切開だった
・「過去に帝王切開を受けていること」、「同腹仔が少ないこと」は帝王切開のリスクを上げた
・死産になる確率は12%であった
・最初の子犬が分娩された後に帝王切開となった場合、死産となる同腹仔の頭数が増えた
・近親交配の程度は難産・帝王切開に影響を及ぼさなかった

 

上記のことから、約3分の1の母犬が緊急の帝王切開に迫られていることが窺える。よって、今後、当該品種の帝王切開のリスクを低下させる方法(繁殖計画の見直しを含む)、そして、そのリスクが高い母体を特定する方法を考案する研究が進むことに期待している。また、バーニーズ・マウンテン・ドッグの出産に関わるオーナーや獣医師は「計画的な帝王切開」を一度は検討することをお薦めする。

母体の年齢も帝王切開のリスクと関連しているとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36577988/


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