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専門的に動物の安楽死を行う往診サービスを提供する獣医師の活動

投稿者:武井 昭紘

アメリカはミネソタ州セントポール。メイベルという14歳の猫が安楽死された。炎症性腸疾患、膵炎に糖尿病を患っていたという。これ以上の苦しみを経験させる訳にいかない。おそらく、オーナーは愛猫に寄り添って、厳しい決断を下したのだろう。その処置を行ったのは、同州オークデールに拠点を構え、専門的に動物の安楽死を行う往診サービスを提供するMN Petsだ。

 

安楽死は自宅で実施された。

無論、設備の整った動物病院で行うことも選択肢の一つだとは思う。しかし、そこには、オーナーの悲しみを強くさせる要因が潜んでいるのだ。健康診断や予防に関連して健康な動物も訪れる病院は、時に幸せな気持ちに包まれる。元気で明るく、溌剌とした彼らにスタッフが癒される。ここで想像を巡らせてほしい。その場面に、愛犬・愛猫を安楽死で失ったオーナーが遭遇したらどうだろうか。棺に収まり、タオルにくるまれた遺体を抱えて、幸福感が溢れる待合室を横切る。悲しみが強調されてしまうことは想像に難くない。

 

1ヶ月に400~500件。MN Petsは13名の獣医師を擁し、これだけの安楽死をオーナーの自宅で行っている。そして、MN Petsの代表は『動物たちにとって、自宅ほど快適な場所は無い』と述べる。最も安心できる場所で、他人の眼を気にすることなく、最期の時が迎えられることに大きな価値を見出している。

おそらく、日本でも、待合室を通ることに辛さを覚えたオーナーは多いはずだ。専門的に動物の安楽死を行う往診サービス。賛否両論あって然るべきだが、本国でも求められている動物医療の一つの形ではないだろうか。

通常は危険とされるチョコレートなどを、
最期に喜ぶのであればと動物に食べさせるオーナーも居るとのことです。食べたがる物を食べさせる幸せが別れを悲しむオーナーを僅かでも救うのかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.startribune.com/these-veterinarians-are-honored-to-do-one-thing-put-ailing-pets-out-of-their-misery/600283152/


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