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気象条件や環境汚染と犬の咬傷事故との関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

一説によると、ヒトは気温が高い、あるいは、大気汚染が酷くなると凶悪な犯罪を犯しやすいという。つまり、気象条件や周囲環境の汚染によって、ヒトは攻撃的になると考えられるのだ。そこで、疑問が浮かぶ。日本を含めて世界各地で発生する犬の咬傷事故。彼らが攻撃的になってしまう要因として、気象条件や周囲環境の汚染は関与しているのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ハーバード大学医学大学院は、全米8都市で報告された犬の咬傷事故のデータを解析する研究を行った。すると、過去10年間(2009年〜2018年)分、実に69000件以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったとのことである。

◆気象条件や環境汚染と犬の咬傷事故との関連性 ◆
・紫外線が多い日(太陽の光が降り注ぐ日)は事故の件数が11%増加する
・気温が高い日は4%増加する
・光化学オキシダントが多い日は3%増加する
・降雨量が多い日は僅かに減少する
・PM2.5が増えても事故の件数に変化はなかった

 

上記のことから、特定の気象条件や大気汚染で犬の攻撃性が上がっていることが窺える。よって、今後、紫外線、高い気温、光化学オキシダントが犬の攻撃性を上げる理由とその予防法を突き止める研究が進むことに期待している。また、条件に合致する日は、犬を不用意に興奮させないことを強くお薦めする。

対象になった都市には、ロサンゼルス、ヒューストン、ニューヨーク市などが含まれるとのことです。

 

参考ページ:

https://www.nature.com/articles/s41598-023-35115-6


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