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新型コロナウイルスのパンデミック時に飼い始められた子犬の攻撃性に対する警鐘

投稿者:武井 昭紘

新型コロナウイルスのパンデミックの最中に飼い始められた子犬たち(パンデミックパピー)について、ある懸念が抱かれていた。経済活動や外出の制限によって、散歩など外へ出る機会が減った彼らの社交性が低下するのではないかと不安視されていたのだ。そして、2023年5月、ワクチンの開発から久しく、ウイルスとの付き合い方を学んだ社会は以前の生活様式へと回帰して落ち着きを取り戻した今、イギリス獣医師会(British Veterinary Association、BVA)によって、懸念が現実のものとなったことを示唆する調査の結果が発表された。

その発表によると、調査に参加した獣医師の24%(おおよそ4人に1人)が、犬の攻撃性行動によって負傷したペットの診察(事故)が増えたという印象を持っているという。また、犬の年齢が判明している事故のうち、実に87%の原因が3歳未満の、つまり、パンデミックの最中に飼い始められたと思われる子犬たちの攻撃性行動だと考えられるとのことである。

パンデミックが世界的に認識された2020年。この年、イギリスの320万世帯が新しくペットを飼ったと推定され、犬を飼育する世帯の割合が増えたと言われている。果たして、これからもパンデミックパピーによる咬傷事故は増えていくだろうか。もしそうであるならば、彼らの攻撃性を抑えるトレーニングはこれからでも実施可能であるだろうか。今後、事故を防ぐ方法について議論され、誰しもが不幸(行動性が強い犬は飼育放棄されやすい)にならない、痛い思いをしない未来が訪れることを願っている。

パンデミックの最中に子犬を購入したオーナーは彼らと直接対面していない(性格を把握していない)場合が多く、それが調査結果に影響しているかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.bva.co.uk/news-and-blog/news-article/new-survey-shows-concerning-rise-in-dog-aggression-following-pandemic-puppy-boom/


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