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犬猫はあとどれくらい生きられるか~平均余命表の作成を試みた研究

投稿者:武井 昭紘

愛する犬や猫が、あとどれくらい生きるのか。これは、多くのオーナーが抱く一般的な疑問である。そのため、平均寿命ならぬ「平均余命」を推測できるデータが求められているのだ。しかし、近々の状況(今を生きている犬猫の情報)を反映した平均余命表は少ないのが現状である。

 

冒頭のような背景の中、アメリカの動物病院グループおよびロイヤルカナン社は、1000件以上のグループ病院の過去6年分(2013年~2019年)の診療記録を基に、1300万匹を超える犬、230万匹を超える猫の生死を追跡する研究を行った。なお、同研究では、1年間のうちに死亡した日が無く、且つ、翌年に動物病院で診察を受けた個体を生存として扱っている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆犬猫の平均余命表の基礎となるデータ◆
・犬全体の余命は12.69年で、雑種に限ると12.71年であった
・猫全体の余命は11.18年で、雑種に限ると11.12年であった
・犬の体格が小さいほど平均余命は増加した
・調査年数が増えるほど平均余命は増加した
・オスよりもメスの平均余命が長かった(オス犬12.63年、メス犬12.76年、オス猫10.72年、メス猫11.68年)
・BCS5の犬(11.71年)はBCS3~4の犬(13.14~13.18年)よりも平均余命が短かった
・BCS4の猫(13.67年)はBCS3および5の猫(12.18および12.56年)よりも平均余命が長かった

 

上記のことから、経年、品種、BCSなどの要因によって犬猫の平均余命が変動することが窺える。よって、今後、この平均余命、ないしは、健康的に生活できる健康余命を長くする方法を突き止める研究が進み、オーナーと犬猫が末永くペットライフを楽しめる未来が訪れることを期待している。

純血種の犬に限り、トイ種、小型、中型、大型、超大型に分類されて解析されているとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1082102/full


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