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スコットランドとウェールズのイベントに招待される短頭種~気道症候群の無料診断~

投稿者:武井 昭紘

短頭種気道症候群(Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome、BOAS)は、文字通り短頭種特有の骨格に起因する呼吸器疾患であり、罹患犬のQOLを悪化させ、麻酔管理を困難にし、覚醒前後において時に罹患犬を緊急事態に陥らせる病気として知られている。そのため、短頭種の診察では、BOASの有無やリスクを把握することが重要とされているのだ。また、その特有の骨格の遺伝を防ぐべく、罹患犬の繁殖制限をすることが望ましいと考えられているのである。

冒頭のような背景の中、イギリスのケネルクラブとケンブリッジ大学は、スコットランドおよびウェールズでBOASの無料チェックをするイベントを開催し、多くの短頭種のオーナーに参加を呼び掛けている。なお、同イベントは4月19日にスコットランド(バーウィックシャー)で、5月3日にウェールズ(ポーイス)で予定されており、主にブルドッグ、フレンチブルドッグ、パグの評価を想定しているとのことである。所要時間は約15分。何らかの手術に受ける前に愛犬がBOASを発症しているか否かを知り、その愛犬の繁殖について深く思慮してもうことが目的だ。

ある研究によると、短頭種のオーナーの多くが愛犬のBOASを「普通の状態」、つまり「健康だ」と認識しているという。そこに注意喚起をすることがイベントの役目である。果たして、同イベントはBOASに関する啓蒙活動の一翼を担うか。今後の動向に注視したい。

BOASの評価は非侵襲的に行われるとのことです。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news-story.php?id=22445


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