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気道症候群に関する教育を受けたヒトの短頭種が抱える健康問題に対する理解度

投稿者:武井 昭紘

イギリスにおいて、短頭種は高い人気を誇っていると言われている。しかし、彼は、様々な健康問題を起こしやすいという側面を持っている。そして、残念なことに、動物病院を訪れる短頭種の実に56%が治療を要する健康問題を抱えているも、それを認識できるオーナーは10%に留まるという厳しい現実があるのだ。つまり、オーナーたちに短頭種の健康問題を認識してもらうべく、彼らを教育・指導することが大切だと言えるのである。

冒頭のような背景の中、イギリスの動物病院らは、600名近くの一般市民に短頭種気道症候群(brachycephalic obstructive airway syndrome、BOAS)に関する知識を提供し、その後の彼らの理解度(BOASを健康問題として認識できる程度)を評価する研究を行った。すると、教育前において殆どの参加者がBOASに関連した症状を「正常」と認識していたことに対して、教育後では、参加者の過半数(短頭種を飼育しているオーナーに限ると約30%)が意見を改めることが分かったという。また、99%以上の参加者がBOASについて「より深く」知るべきだと回答したとのことである。

上記のことから、教育によって、BOASを健康問題として認識する可能性が高まることが窺える。しかし一方で、意見を改める参加者は半数程度であることを考慮すると、教育の内容を改良する必要はあると考えられる。よって、今後、「BOASは深刻な健康問題、病気である」と広く認知させるプログラムを開発・考案する研究が進み、呼吸器のトラブルで苦しむ短頭種が1匹でも多く減る未来が訪れることを期待している。

研究を発表した動物病院らは、教育に参加した短頭種のオーナーの過半数が、犬を購入する前に犬種特有の健康問題に関する詳しい情報を知りたかったという様子を見せたとも述べております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35182434/


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