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福島県 獣医師の確保に向け 修学資金を創設

投稿者:AsaT

福島県は本年度、不足が続いている獣医師の確保に向けて獣医学部で学ぶ大学生を対象とした修学資金を創設することが分かった。

記事によると、福島県内で畜産や食品の安全確保などの業務を担う獣医師は近年、県の採用者数が採用予定者数を大きく下回る状況が続いている。

獣医師を育成する学部を持った大学は県内になく、全国でも17大学と限定されており、卒業後の就職先は動物病院などが人気がある一方、公務員を志す学生は2割程度とされ、全国的に不足が続いていることから自治体間の取り合いが起き、採用が難しい状況が続いているという。

県は2022年度に採用試験を見直し、教養試験の廃止や受験の年齢要件を45歳以下から58歳以下に緩和。さらに試験の回数も増やすなどして採用活動を強化してきた。それでも昨年度は19人の採用予定に対し、実際の採用者は5人にとどまっており、今後も採用が増えない状況が続けば、獣医師が担う各種業務の圧迫なども懸念されている。

そこで県は修学資金の創設で、将来的に本県で働く学生を増やし、獣医師確保につなげたい考え。修学資金は獣医学部に在学する1~6年生を対象に月額10万円を貸与する。獣医師となって県の採用試験に合格し、貸与期間の1.5倍の期間在職すれば全額を免除する。今回は特に獣医師の不足が深刻な食品衛生や動物愛護などの業務に限定し、本県出身などは問わず最大12人を募る。

採用試験の受験者数増に向けて、全国の獣医学部のある大学の最寄り駅に獣医師募集のポスターを張るなど学生に直接訴える取り組みも始めた。県の業務への理解や就業後のギャップ解消を目的としたインターンシップの受け入れも継続していく方針だ。本年度は17人の採用を予定しており、県は「獣医師の不足で業務に影響が出るような状況にならないためにも、より多くの人材確保につなげたい」(食品生活衛生課)としている。

獣医師を目指す学生を資金面で支援し、獣医師試験合格後に県の獣医師として活躍してもらう。併せて、就職先を考える現役学生への情報発信を強化し、獣医師を目指す学生に県で働く魅力などを発信したい考えだ。


福島民友新聞

<2023/04/19 福島民友新聞>

福島県 獣医師の確保に向け 修学資金を創設(写真と記事は関係ありません)

 


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