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静岡県 ペットの往診診療 高齢ペットの支えに

投稿者:AsaT

ペットの高齢化に対応するため、静岡県清水町の動物病院では、県内でもいち早く訪問診療を始め、高齢のイヌやネコの負担を減らすことにつながっている。

記事によると、ハッチどうぶつクリニック(2022年に駿東郡清水町に開院)の松居裕介院長は、清水町内でイヌを飼っている家に診療に行く「訪問診療」を3月から始めたばかりで、県内でも珍しい取り組み。

診療に訪れたお宅では、トイプードルのメイちゃんが痛みがあるのか、右足をあげた状態で歩いているとのこと。メイちゃんは14歳で人間でいうと72歳になる。イヌやネコは7歳から老化現象が起こり、腎不全や白内障など病気にかかりやすくなるといわれ、病院への移動も負担となる。

松居院長は「年齢があがってくると、若干のストレスに対する耐性が落ちてくるので、病院での待ち時間や車での移動で、何日か経って体調が悪くなったりということが出てきやすい年齢になってくる」と話す。

近年、医療技術の進歩などでイヌやネコの平均寿命は急速に延びており、ペットフード協会などによると、イヌの平均寿命は2011年には13.85歳だったが、2021年には14.65歳でこの10年間で0.8歳延びていることになる。ネコも、2011年には14.39歳だったが、2021年には15.66歳、1.3歳も延び、ペットも高齢化が進んでいることが分かる。

訪問診療は高齢のペットの負担を減らすだけでなく、飼い主にとってもうれしいサービスだ。メイちゃん飼い主の土屋純子さんは、「(病院に行って待つ時間が)1日の時間の中で大変な時間を割くことになるので、往診に来ていただければ時間の短縮になるのでいい取り組みだと思う」と話す。

ハッチどうぶつクリニックの訪問診療ではレントゲンの撮影や手術はできないが、血液の採取、注射での薬の投与などその場で治療もできる。大型犬を飼っている飼い主から連れてくるのが大変なので往診ができないか聞かれ、飼い主の負担を減らしたいという想いから始めた訪問診療をスタートさせた。

他にも、松居院長はオンライン診療も取り入れている。ちょっとした心配事から病院が閉まっている深夜の緊急事態まで、チャットアプリを使って無料で診療をしており、平均寿命が伸び続けているいま、訪問診療は病院に行きたくても行けないイヌやネコ、飼い主の支えになりそうだ。

「今後、往診というスタイルを皆さんに知っていただいて、選択肢としてあがってくるのが今の目標です」


https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbs/416516

<2023/04/04 SBSNEWS>

静岡県 ペットの往診診療 高齢ペットの支えに(写真と記事は関係ありません)

 


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