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ストリート・キャットの密度を上げる都市部のファクターに関する研究

投稿者:武井 昭紘

『この地域は猫が多いな。』

街を歩いていて、あるいは、旅先で、そう思ったことはあるだろうか。そして、疑問に思ったことはないだろうか。彼らは何故この地域に密集しているのかと。では実際のところ、彼らは何を理由に集まっているのだろうか。その疑問を解消することは、猫の密集や過剰繁殖を避けてヒトの生活環境および動物福祉の改善する上で非常に重要なことである。

冒頭のような背景の中、イギリスで猫の福祉向上を目指す大規模な動物保護団体Cats Protectionは、国内におけるストリート・キャットの分布を調べる研究を行った。すると、ヒトからの食料の提供や廃棄物の摂食の可能性が高まる人口密集地帯の住宅地にストリート・キャットは集まっていることが判明したという。また、人口密集地帯の貧困のレベルと猫の数は正の相関をしており、去勢されていない猫が多い地域ではストリート・キャットの密度が増加するとのことである。

上記のことから、人口密度の高い地域、その中でも低所得者層が多い地域にストリート・キャットは集まって増えてしまうことが窺える。よって、今後、該当する地域を念頭にした猫の去勢手術対する補助金制度が拡充され、あるいは、ストリート・キャットの去勢手術を無料で行うボランティアが展開され、イギリス全土で彼らの密集が解消される日が訪れることに期待している。

本研究で対象となった地域は、イギリス国内で160地点以上になったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.nature.com/articles/s41598-021-99298-6


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