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猫を飼っている世帯が新たに飼い始めた子犬の様子に関する調査

投稿者:武井 昭紘

先住の犬や猫が居る家庭が新しくペットを迎える時、そこには大きな問題が立ちはだかる。それは、両者の相性だ。無論、仲良くしてくれれば何の問題もない。しかし、一方が他方を避けて逃げ回り、あるいは、威嚇や喧嘩に発展してケガをするとなれば、動物福祉が悪化するのである。では実際のところ、そういったシチュエーションの中で、動物たちは一体どのような反応を見せているのだろうか。

 

前述した背景の中、イギリスの動物慈善団体DogsTrustおよび大学らは、猫を飼育していて、且つ、そこに子犬を新しく飼い始めた世帯に着目して、子犬の行動をデータ化する研究を行った。すると、1200匹を超える子犬のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。

◆猫を飼っている世帯が新たに飼い始めた子犬の様子◆
・オーナーが思い描く行動(望ましい行動)だけをした子犬は全体の約7%のみであった
・最も一般的な行動は「一緒に遊びたがる」であった(約59%)
・次いで「過度に興奮する」と「猫を追いかける」が続いた(それぞれ約57%と約49%)
・12週齢より若い個体は望ましい行動だけをする可能性が高かった
・また他に同居する犬がいる場合も同様であった
・自己紹介を犬と猫に任せた場合は友好的な関係を築けなくなる可能性が高まった
・オーナー主導で早期に、且つ、段階的に子犬を猫に紹介すると有効な関係が築ける可能性が高まった

 

上記のことから、子犬の行動を望ましいものにする、あるいは、望ましくないものにするファクターがいずれも存在していることが窺える。よって、猫を飼っている世帯が新たに子犬を飼い始める場合は、子犬が12週齢になるよりも早く、そして、オーナー主導で段階的に子犬を猫に紹介することが理想であると考えられる。また、今後、12週齢を超えた子犬や成犬を飼い始めるケースにおける「最適な」犬と猫の出逢いについて探求され、彼らの福祉の悪化を防ぐ方法が考案されることに期待している。

調査対象となった子犬は4600匹を超えており、そのうち約27%が猫と同居していたとのことです。

 

参考ページ:

https://www.mdpi.com/2076-2615/12/18/2389


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