犬猫の血小板は炎症、感染、腫瘍など様々な疾患に伴って変動し、その変動が症例の病状を表しているとして注目を浴びている。また、ある論文では、コントロールの難しい糖尿病を抱えた猫が肺血栓塞栓症を起こしたために安楽死の措置をとったと報告されているのだ。つまり、ペットの糖尿病と血小板の間には、何らかの関連性が潜んでいると考えられるのである。では、その関連性とは一体どのようなものであろうか。
前述した背景の中、ギリシャのアリストテレス大学は、①1型糖尿病と診断された犬を対象にして、彼らの血小板に纏わる測定値および糖化ヘモグロビン(HbA1c)のデータを集積し、②臨床健康な犬のそれと比較する研究を行った。すると、同研究には①が14例、②が33例参加し、以下に示す事項が明らかになったという。
◆糖尿病の犬における血小板関連の測定値とHbA1c◆
・①の40%以上に血小板増加症が認められた
・②に比べて①の血小板数(PLT)と血小板クリット(PCT)が有意に高かった
・HbA1cとPLTおよびPCTは弱い正の相関関係にあった
上記のことから、糖尿病の犬の血小板に纏わる測定値は変動していることが窺える。よって、今後、この変動が意味するところを解明する研究が進み、ペットの糖尿病管理が更に高精度になることを期待している。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35655439/