ニュース

同居犬が亡くなった犬の悲しみに関する研究

投稿者:武井 昭紘

寂しそうにしている。
落ち着きがない。
誰かを探しているようだ。

長らく生活を共にした同居犬を失った愛犬の様子を気掛かりに想うオーナーは少なくない。では実際、彼らは「同居犬の死」に何を感じているのだろうか。悲しみか。喪失感か。あるいは—–。

 

冒頭のような背景の中、欧米の大学および動物病院らは、2匹以上の犬を同時に飼育しており、そのうち1匹の犬が亡くなったイタリアのオーナー400名以上を対象に、彼ら自身と「残された」愛犬の悲しみに関するアンケート調査を行った。すると、一緒に過ごした時間の長短に限らず、同居犬と親子関係であること、親しい仲であったこと、食べ物を分け合ったことに応じて、残された犬の活動性(低下)、睡眠時間(延長)、食欲(低下)、恐怖の感情(増加)が変化することが判明したという。また、これらの変化は、飼い主の感情と連動していることが示唆されたとのことである。

 

上記のことから、残された愛犬は、ヒトの感情で言うところの「悲しみ」を感じていることが窺える。無論、飼い主の感情に引き摺れらている側面はあるかも知れないが、彼ら自身でも「居なくなった事実」に想うところがあるのだろう。失うことへの悲しみは、ヒトでも犬でも同じとうことだ。私たちが、彼らにしてあげられることとは何であろうか。今後、悲しみを分かち合い、前を向きやすくする方法が探究されていくことに期待している。

彼らの悲しみが一緒に過ごした時間の長さとは関係が無いことも、ヒトに似ているかも知れません。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35210440/

https://www.nature.com/articles/s41598-022-05669-y


コメントする