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猫が変形性関節症を発症するリスクを上げるファクターに関する研究

投稿者:武井 昭紘

加齢に伴って猫が発症する変形性関節症(degenerative joint disease、DJD)は、彼らの活動性に影響を与え、QOLを悪化させる病気として知られている。そのため、当該疾患を起こすファクターを特定し、それに応じた治療法や予防法を確立することが重要とされているのだ。

 

そのような背景の中、イギリスの大学らは、2400匹を超える猫のオーナーを対象にして、愛猫の活動性(DJDを疑う変化の有無)を問うアンケートを定期的に実施する研究を行った。すると、解析に使用できる約800匹分のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったとのことである。

◆猫が変形性関節症を発症するリスクを上げるファクター◆
・下記の4つのファクターが特定された
・生後6ヶ月齢での不妊・去勢手術を受けていないこと
・6歳齢未満での外傷を負った経験があること
・屋外にアクセスできる飼育環境に置かれていること
・6歳齢の時点において過体重・肥満であること

 

上記のことから、前述したファクターに該当することがDJDの発症リスクを上げることが窺える。よって、当該疾患を予防するためには、生後6ヶ月齢までに不妊・去勢手術を行い、外傷を負うかも知れない屋外へのアクセスを制限し、体重管理をすることが望ましいと考えられる。皆様の愛猫は、4つのファクターのうち何れかに当て嵌まるだろうか。当て嵌まるならば、彼らの未来(QOL)を考えて、飼育環境を見直して頂けると幸いである。

本研究で解析された約800匹のうち、約30%に活動性の変化が認められたとのことです。

 

参考ページ:

https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1098612X21991456


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