周囲に配置された図形によって、実際には存在しない図形が視覚的に浮かび上がって来る。この現象を「カニッツァ錯視」と呼ぶ。2021年7月、この錯視がヒトのみならず猫にも起きることが証明された。そこで、疑問が浮かぶ。カニッツァ錯視は、犬にも起きるのだろうか。それを明らかにした研究が発表された。
なお、発表を行ったイタリアのパドヴァ大学によると、様々な図形の中から三角形を見分ける訓練を受けた犬を対象にして、カニッツァ錯視で浮かび上がる三角形を認識できるか否かを検証したという。すると、同研究に参加した6匹のうち5匹が、錯視を起こさない図形の配置よりも「起こす」図形の配置を選択することが明らかになったとのことである。
上記のことから、犬にもカニッツァ錯視が起きることが窺える。よって、今後、この錯視を応用した犬の行動を制御する方法(特に災害時)や犬を躾する方法が考案され、ヒトと犬の関係性がより良いものになっていくことを期待している。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34269930/