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減量に成功した肥満の犬の糞便をメタボロームで解析した研究

投稿者:武井 昭紘

ある研究によると、理想的な体重の犬と肥満の犬の糞便に認められる細菌叢は異なっているという。一方で、肥満の犬の中には、減量に成功する個体が存在しているのも事実である。そこで、疑問が浮かぶ。減量に成功した彼らの糞便の細菌叢は、一体どうなっているのだろうか。肥満の犬に近いのだろうか、理想的な体重の犬に近いのだろうか。あるいは—–。

冒頭のような背景の中、欧米の大学らは、高線維高タンパク質のフードによって減量に成功した肥満の犬を対象にして、減量前後の糞便中に含まれる代謝産物を解析するメタボローム解析をする研究を行った。すると、細菌叢に影響を受ける代謝産物13種類の増減が起きていることが確認されたという。

上記のことから、肥満であった時と減量に成功した時の細菌叢が変化していることが窺える。よって、今後、これらの代謝産物の変動を人工的(内科的)にコントロールすることで、または、細菌叢をコントロールすること(結果的に代謝産物の変動を起こさせる)で肥満の犬の体重が減るかについて検証する研究が計画され、犬の体重管理法に革新が齎されることを期待している。

増減した代謝産物の一例につきましては、リンク先の論文をご参照ください。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34228201/


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