ニュース

新型コロナウイルスによるパンデミックの中で深刻化した犬猫の肥満

投稿者:武井 昭紘

新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、世界各国は様々な制限を国民に課し、多くの人々の「おうち時間」が増えた。結果、必然的にと言うべきか、犬猫などのペットと向き合う時間が多くなったというヒトも増えた。すると、イギリスでは、ある深刻な問題が浮上してきてしまったようなのである。その問題を訴えたのは、チャリティ団体PDSA(People’s Dispensary for Sick Animals)だ。同団体は、国内で飼育されている犬猫の肥満とパンデミックとの関係性を調べたという。そして、以下に示す事項が判明したとのことだ。

 

◆パンデミックの中で深刻化した犬猫の肥満◆
・パンデミック下で体重が増えた犬猫は140万匹と推定される
・愛犬や愛猫が肥満だと思っているオーナーは全体の14~18%である
・しかし獣医師は全体の50%が肥満だと診断している
・60%以上のオーナーが「肥満は万病のもとで寿命を縮める」ことに同意した
・犬猫の体重が増えてしまう(減らない)原因は下記の通りである
1.食べ物を欲しがるから与えてしまう
2.オヤツをペットに与えることが好き
3.食べ物の好き嫌いが激しい
4.オヤツを与えることは彼らへの愛情表現だと思っている

 

関節炎、心臓病、糖尿病。様々な病気を引き起こす恐れのある肥満。それに同意するも、ペットと向き合う時間が多くなった人々は、彼らに食べ物(オヤツを含む)を与えてしまう。また、好き嫌いが激しい子には、より嗜好性の高い食べ物(栄養価や体重管理の観点から不適切なのかも知れない)を提供してしまうのだろう。変異を繰り返し、世界中を不安に陥れる新型コロナウイルス。パンデミックは、これからも「波」のように引いては押し寄せるのだろう。その中で、ペットの肥満は今以上に深刻化するか。そして、彼らの間に、肥満が原因となって多種多様な病気が蔓延するか。今後の動向に注視したい。

ウサギのオーナーの10%が「彼らは肥満だ」と思っており、イギリス国内の5万匹以上が肥満だと推定できるとのことです。

 

参考ページ:

https://www.pdsa.org.uk/get-involved/our-campaigns/weigh-up


コメントする