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北米で増え続ける肥満の犬や猫に続発する病気2021版

投稿者:武井 昭紘

過去10年間において、犬で108%増、猫で114%増。北米では現在、肥満と診断される犬猫が増えている。そして、その要因の一つになっているのが、オーナーの肥満に対する意識であると本サイトで述べた。そこで、今回は、この意識を改めるキカッケを作るべく、肥満に陥った犬猫がなりやすい病気2021版を紹介したいと思う。なお、下記に示す情報は、アメリカに1000件以上の動物病院を抱えるBanfield Pet Hospitalが発表したものである。

 

◆肥満の犬猫がなりやすい病気(肥満ではない個体との比較)◆
・肥満の犬は4倍、肥満の猫は7倍、皮膚病になりやすい(体型が邪魔して皮膚を清潔することが困難になったと同院が推察)
・肥満の犬は4倍、肥満の猫は5倍、糖尿病や甲状腺機能低下症になりやすい
・肥満の犬は3倍、整形外科疾患(関節の可動性に影響を及ぼす状態)になりやすい
・肥満の犬は2倍、肥満の猫は4倍、呼吸器疾患(喘息や慢性気管支炎)になりやすい
・肥満の猫は4倍、尿のトラブル(尿結石など)を抱えやすい

 

これだけを見ても、「肥満は万病のもと」と言えるだろう。つまり、今北米で増えている肥満は、犬猫にあらゆる病気を齎すことが予想されるのだ。予防医学の観点から、これは由々しき事態である。読者の皆様は、どれ程多くの肥満に陥った犬猫を診察しているだろうか。もし肥満のデメリットを彼らのオーナーから質問された際は、本稿に記載した「現実」を話してみて欲しい。そして、万病のもとである肥満の治療を前向きに検討して頂けると幸いだ。

Banfield Pet Hospitalによると、毎年15万匹以上の犬が変形性関節症と診断されているとのことです。

 

参考ページ:

https://www.banfield.com/about-banfield/newsroom/press-releases/2021/new-data-reveals-pet-obesity-epidemic-existed-long-before-quarantine


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