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Mercury Challenge~高血圧を抱える猫の割合を調べるヨーロッパの大規模調査~

投稿者:武井 昭紘

心、腎、甲状腺etc。様々な臓器が病気に陥ることで、猫の高血圧は発生する。そして、その病態が進行することで、更に心臓や腎臓、また眼や脳の機能に深刻な影響を与えてしまう。故に、彼らの高血圧を早期に発見することは非常に重要だとされているのだ。しかし、当該疾患の初期は無症状であることも珍しくなく、発見された時には病状が重くなってしまっていることも少なくないのが現状だ。

そこで、動物用医薬品のメーカーであるCeva Animal Health社は、症状が表面化していない症例の高血圧を発見し、その割合を調べるMercury Challengeを展開している。なお、同チャレンジでは、ヨーロッパを中心にして10000匹以上の猫の血圧測定を実施することが目的とされている。

結果、チャレンジに登録された猫の40%以上が高血圧(正常血圧の30%高い)であることが判明した。また、罹患猫の平均年齢は13歳、登録された猫の3分の1は慢性腎臓病を併発していることも分かったという。果たして、アジアないしは日本でMercury Challengeを行うと、どのような結果が得られるだろうか。今後、Mercury Challengeが世界に広がり、猫の高血圧診療のレベルが向上していくことを期待している。

チャレンジに参加した10匹中9匹は、血圧測定(約10分)の間、落ち着いていたそうです。

 

参考ページ:

https://mercurychallenge.ceva.com/uk


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