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多中心的に発生した皮膚非上皮向性B細胞リンパ腫に罹患した猫の1症例

投稿者:武井 昭紘

皮膚腫瘍は、猫が罹患する腫瘍の中で2番目に多いもので、その3分の2は悪性だと言われている。しかし、皮膚リンパ腫の発生は稀で、皮膚非上皮向性B細胞リンパ腫ともなれば更に稀、そして、足根部に単発で現れることが一般的だとされているのだ。

そのような背景の中、パルマ大学は、ある猫の症例を報告した。なお、その症例は、体幹に多中心性の皮膚非上皮向性B細胞リンパ腫を発症したとのことである。また、症状は脱毛、瘙痒感、紅斑、潰瘍で、病理組織学的検査では中型から大型の独立円形細胞が真皮および皮下に浸潤していたという。

同大学は、この猫に起きていた病態を世界初と位置付けた。果たして、前述した皮膚症状を呈している猫のうち、どれくらいの割合が当該疾患に罹患していのか。今後、有病率を算出する研究が進められ、猫の腫瘍科診療、そして皮膚科診療のレベルが向上することに期待している。

腫瘍細胞は、CD20を発現していたとのことです。

 

参考ページ:

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/2055116920972077


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