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<コラム>動物病院が担う ペット保険への理解と啓蒙

投稿者:AsaT

動物病院の役割は診療業務だけでなく、動物愛護管理法や感染症対策など、動物の命と向き合う局面が増えています。獣医師は獣医療の知識を拡げるだけでなく、動物の命を守るために、飼育者との信頼関係を築くことが大切になってきています。

ペット保険アニコムによると、飼い主のペットへの年間支出額(2019年)は、一頭当たり犬306,801円、猫158,680円です。内訳は病気やけがの治療費(予防対策費を含む)とフード・おやつ代で、月換算では犬約25,000円、猫1,300円でした。大切なペットへの健康意識の高まりから、ペット保険に加入する飼育者が増えており、動物病院は治療以外にもフードのアドバイスを担う場所にもなっています。

株式会社ペットフード協会の調査では、新型コロナウイルス拡大で新規に飼育されたペットが増加し、ペット保険の加入保険契約数は2021年は2018年の1.4倍になるという予測です。コロナ禍でペットを迎える人が多くなり、ペット保険の需要が増えていますが、ペット保険のトラブルも増えているのをご存知でしょうか?

保険トラブルの一部として「一方的に保険会社から契約を拒否された。」「保険料が支払われなかった。」などの不満がSNSで拡散され、ペット保険会社や、ペット保険自体への不信感が広がっています。

動物も人間と同じように病気にかかり、年々保険料が高くなります。犬や猫の平均寿命は15年程で人間に比べ短く、毎年同じ条件で契約更新出来るわけではありません。また、ペット保険はヒトへの医療保険とは違い、自動車や家と同じ「物・資産」としての損害保険となります。損害保険は事故や災害などで発生した損害に対し支払われます。

そのため、ペット保険は一年更新が多く、更新毎に保険料が上がったり、調査内容によっては次年度の契約更新が結べないことも。これらの仔細は契約加入時に保険会社の説明責任があり、特に免責事項や約款には加入時に確認することが大切です。保険会社と契約者相互の自由契約の原則があるため、契約者(飼育者)の責任となることも。

原則としてケガや病気は保険適用ですが、加入前に発生したけがや病気は免責になります。予防接種、健康診断、去勢、避妊手術も免責となる保険がほとんどで、加入できるペットの種類も限られているため、留意することが必要です。

また、コロナ需要から劣悪な環境で飼育した病弱なペットを販売する業者や、抱き合わせでペット保険販売を行う悪質な業者もおり、利益だけのために保険加入を進めた弊害が、保険会社への苦情に広がっている背景があるとされています。

ペットの命を守る一里塚として、飼育者の悩みに寄り添い、ペット保険への啓蒙、助言を行うことが、動物病院に求められるようになっています。


<コラム>動物病院が担う ペット保険への理解と啓蒙

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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