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里親が決まった犬が保護施設に戻ってくる原因について調べた研究

投稿者:武井 昭紘

里親に迎えられた保護犬が施設に戻ること。これは、シェルターを運営するスタッフが最も避けたいことの一つであると筆者は思う。なぜならば、「戻ること」で誰も得をしないからだ。つまりは、シェルターが受け入れられる犬の数が1匹分減り、里親は引き取れなかったことを落胆し、そして、里親が決まったはずの保護犬は「また」飼い主を失うのだ。加えて、長い目で見れば、その子の生涯に街中の動物病院が関わる機会もなくなってしまうと言えるかも知れない。では、何故、戻る犬が出てしまうのだろう。それを明らかにすることは、彼らの幸せで健康なペットライフを実現する上で、非常に重要だと考えられる。

そのような背景の中、カナダのアルバータ大学は、「戻る」原因となる犬の行動と身体的特徴を明らかにする研究を行った。すると、彼らの性格(攻撃性)と、それを連想させる体格や犬種が、「戻る」ことに有意に関連していることが明らかになったという。

上記のことから、攻撃性(攻撃性に対する恐れ)が、「戻る」という結果を生じさせることが分かる。よって、今後、誰も得をしない状況からの脱却するために、攻撃性が強い個体の性格を柔らかくする行動療法の開発と、特定の犬種に纏わり付く攻撃性のイメージの払拭をすることを目的とした研究が進められることに期待している。

本研究には、950匹以上の犬が参加しているとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ufaw.org.uk/downloads/friend-29-issue-5.pdf


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