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Old Age Pets research project~高齢の犬と飼い主の関係性を深く理解するための調査~

投稿者:武井 昭紘

『40年前のそれと比べて、犬の寿命は2倍程に延長している。』
イギリスはイングランド北西部に位置するリバプール大学は、このように述べる。

 

多くの研究者の手によって獣医学が発展し、動物医療のレベルが向上したことが、犬の寿命を伸ばしているとするならば、非常に誇らしい限りである。だが、しかし、その誇らしさの裏には、大きな問題が横たわっている。それは、高齢となり、腫瘍、心臓病、関節のトラブルなど様々な病気になりやすくなった犬の健康維持(健康寿命を延ばすこと)の難しさである。

そこで、英国小動物獣医師会(British Small Animal Veterinary Association、BSAVA)が関連している慈善団体Pet Saversは、高齢犬を飼育しているオーナーを対象にして、彼らの関係性を深く理解するための調査、Old Age Pets research projectを開始した。なお、同調査では、高齢犬と暮らしてきた経験談(印象的なシーン)を如実に表している写真やビデオと、それに添付されたコメントを情報源にしており、そこから汲み取れる関係性を解析し、動物医療が介入できるポイントを纏めて、高齢動物の診療にアドバイスを贈るガイダンスツールを開発することを目的としている。

 

愛犬の寿命が長くなれば、ペットライフを楽しめる期間も伸びる。その反面、高齢犬と共に過ごす苦労も増えてしまう。Old Age Pets research projectは、この苦労を少しでも軽くするために計画・実行されたものだと言える。よって、同プロジェクトが成功を収め、犬が楽しい老後(余生)を迎える獣医学が確立されていくことを願っている。

日本でも、同様のプロジェクトが進行することを期待しております。

 

参考ページ:

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdzw8rqwACumhePxE54DmrVpbdjRjc7RXODSySueoUgfuQaTA/viewform

www.vettimes.co.uk/news/golden-oldies-sought-for-petsavers-study/


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