アメリカ国内で飼育されている犬猫の6割以上が抱えているとされる肥満は、腸内細菌叢を乱し、関節や心臓に負担をかけ、寿命を短くする影響力を有していることから、ただ体重が「標準より重い」という状態を表す言葉に留まることなく、病気の一つとして認識されるようになってきた。そのため、ヒトと同じく、小動物臨床でも体重管理(ダイエット)に注目が集まっており、体重を減少させるプログラムの有効性を評価する指標の開発や、「体重が減少する」という生体反応を深く理解するための科学的データの集積が、大変に重要視されつつあるのだ。
そこで、ヨーロッパの大学らは、過体重または肥満と判断された犬5匹(去勢オスの)を対象にして、低脂肪食を用いた3ヶ月間の減量プログラムにおける生体の変化を、唾液プロテオソーム解析(唾液サンプルに含まれるタンパク質の解析)にて観察する研究を行った。すると、減量前後において、23種類のタンパク質の量が有意に変動していることが明らかになったとのことである。
上記のことから、生体の唾液の性状が、減量プログラムに対して何らかの反応を示したことが窺える。よって、今後、観察されたタンパク質量の変化が齎す生理学的現象を詳細に調べる追加研究が実施され、「体重が減少する」という生体反応がデータ化されていくとともに、そのデータを基にして、ダイエット効果を評価するマーカーが確立されることに期待している。

減量前後で変動したタンパク質の一例につきましては、文献をご参照下さい。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32361424


