3月8日。
この日、イギリス国内にて最大規模のドッグショーが開催された。
優勝した最も美しい犬種は、ダックスフンド(ワイヤーヘア)であった。
改めて言うまでもないが、ダックスフンドは、非常に短くちょこんとした四肢に長い胴と垂れ耳が特徴的で、丸々とした両太ももの間に伸びる細いシッポが非常に可愛らしい品種である。優勝という最高の結果を見る限り、おそらくは、この魅力に、筆者のみならず、ドッグショーに参加した多くのヒトが惹きつけられたということなのだろう。しかし、ご存知の方も多いと察するが、ダックスフンドという種の背景には、陰があるのだ。他犬種に比べて10~12倍も椎間板疾患(Intervertebral disc disease、IVDD)に罹患しやすいという陰が—–。
ここに懸念を示したのが、イギリス獣医師会(British Veterinary Association、BVA)である。
なお、同会によると、極端な体型・骨格を有するダックスフンドは、Extreme Breeding(行き過ぎた品種改良)が行われているとともに、ペットの輸出入に関する取り決めPet Travel Scheme (PETS)を悪用した違法取引の中心におり、英国内における過去10年間の登録件数が3倍に増加している品種だとのことだ。そして、ドッグショー優勝という経歴が加われば、その人気は爆発的に高まり、IVDDに苦しむダックスフンド増えていくというのである。
「Health Over Looks」
「外見よりも健康を」
BVAは、これからダックスフンドを飼おう(買おう)としているオーナー候補に呼び掛ける。同会の懸念が現実のものとならないことを、そして、呼び掛けに耳を傾けるヒトが1人でも多く現れることを願うばかりである。
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