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ペットが起こす火災事故に対する注意喚起~家電製品の電源をオンにした犬~

投稿者:武井 昭紘

総務省消防庁の発表によれば、平成30年の1年間に発生した火災事故は約38000件に昇り、これは、何と、1日に104件(1時間に4件)という驚異的なペースであったとのことである。そして、その火災が発生した原因の中で大部分をしめるものが、「たばこ」と「たき火」だというのだ。

と、冒頭のように書くと、2つの火災原因について細心の注意を払うことに気が向く読者の皆様が多いかも知れないが、獣医学・動物学に特化した本サイトでは、38000件の中に含まれる「ペットが起こす火災」について、海外の事例を紹介しながら述べたいと思う。

 

2019年12月4日、イギリスの獣医学関連サイトMRVSに発表されたニュースによると、イギリスの首都ロンドンの北東に位置するエセックス(Essex)に住む犬が、オーナーが留守にしているタイミングを見計らうようしてか、内部にロールパンが残された電子レンジの電源をオンにして、家屋中に充満するほどの煙を発生させたという。

だが、この火災は地域の消防隊員によって鎮火され、犬は熱傷などのケガは負わなかった。おそらくは、携帯電話のアプリで室内と愛犬の状況を具に観ていたオーナー自身が、消防隊員に通報したことが幸いであったのだろう。

 

昨年、火災で命を落としたヒトは、1400名を超える。日本の総世帯の約20%が動物を飼育していることを考慮すると、きっと、その傍らには、少なからずペットの存在(犠牲)があったものと推察している。「本稿をキッカケに」と表現すると差し出がましかも知れないが、もうこれ以上、悲しい事故が起きないように(獣医師が熱傷に苦しむ動物を診なくて済むように)、電子レンジのスイッチを押した犬が教えてくれたことを、一人ひとりが真剣に考えて頂くことを切に願っている。

今回、電子レンジにスイッチを入れた個体は、ハスキー系統の大型犬であったとのことです。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/18944/Dog-sparks-house-fire-by-switching-on-microwave


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