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Inactive Client Reengagement Reminder Program~1年を越えて来院していないオーナーへ向けたメッセージ~

投稿者:武井 昭紘

自分自身が所属する動物病院にて、昨年の予防時期を越えて1年以上来院していないペットとそのオーナーは、一体、どれくらいの数で存在しているだろうか?そして、臨床獣医師・動物看護師である皆様は、それを、どれくらい気にかけて、心配しているだろうか?

 

ここに焦点を当てたアメリカ獣医師会(American Veterinary Medical Association、AVMA)およびアメリカ動物病院協会(American Animal Hospital Association、AAHA)の取り組みがある。

 

「Inactive Client Reengagement Reminder Program」

同プログラムは、両組織が主導で設立したPartners for Health Pets(PHP)という団体が実践するもので、Inactive Client、つまり、動物病院と疎遠になってしまったオーナーに再び来院してもらうキッカケを提供することを目的として、Eメールによる「特殊な」リマインダーを行うシステムが採用されており、以下に掲げる3つのポイントを訴求するメッセージを送ることに重点を置いている。

<Inactive Client Reengagement Reminder Programが重視するポイント>
①定期健診にペットを連れて行けない程の忙しい日々を送るオーナーへの配慮
②ペットの健康を心から思いやる動物病院スタッフの気持ち
③毎年の健康診断の重要性(フードやペットへの惜しみない愛にも匹敵する)

 

加えて、末尾に記載しているリンク先のサイトには、Inactive Client Reengagement Reminder Programの実績もアップされている。Eメールを送った件数の約3.8%、1院につき平均128人のオーナーが再び1600を超える動物病院を訪れ、その合計は実に12万6000人にも達したとのことである。

上記のことから、Inactive Client Reengagement Reminder Programは、日本各地に広がる動物病院でも、検証する価値のあるプログラムではないだろうか。よって、将来的に、今回紹介した「特殊なリマインダーシステム」が、本国にも導入されることを期待している。

このプログラムを機に再来院したオーナーの約40%は、2年以上に渡り、動物病院を訪れていなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.partnersforhealthypets.org/inactive_client_program.aspx


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