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米国糸状虫学会が訴えるフィラリア感染症におけるシンプルで端的な5つの提言

投稿者:武井 昭紘

フィラリア(糸状虫)と呼ばれる寄生虫は、蚊に媒介されて、犬の心臓内に寄生することで、罹患個体に様々な呼吸器および循環器症状を発現させる病原体である—–。

 

これは、おそらく、大学・専門学校を卒業した新人の獣医師、動物看護師にとって、「常識」とも言えるほどの基本的な獣医学の知識なのではないだろうか。だが、ひと度、オーナーの視点に立つと、いくら犬が好きでペットライフを心から楽しんでいるとしても、前述したフィラリアに関する情報は、軒並み「専門知識」に分類され、一般常識からは懸け離れた、何処か異世界の話のようにしか感じることが出来ない。

そこで、今年のフィラリア予防に備えて、ツイッターアカウントを通して発信されている米国糸状虫学会(American Heartworm Society、AHS)の投稿を紹介することにする。なお、日本の緒事情に合せて一部改編することを予めご了承頂きたい。

◆ペットオーナーに知っていて欲しいフィラリア感染症の5つの事実◆
①蚊がフィラリアを運んでくる(ペット間での感染は起きない)
②47都道府県に広く分布している(アメリカでは50州全てに分布)
③犬と同様に猫にもフィラリアは感染する(猫もフィラリア予防が必要)
④近年の異常気象を考慮すると1年中フィラリアに感染する機会がある
⑤フィラリア感染症は命を落とす病気である

同会が訴える5つの提言は、シンプル、且つ、端的で、獣医師からオーナーへと『これだけは伝えたい』フィラリア感染症に関するインフォームド・コンセントを教えてくれているものと考えられる。よって、この春から、犬猫を飼育しているオーナーにフィラリア予防について説明をするであろう新人の動物病院スタッフは、是非とも、AHSの提言を参考にして、専門知識を分かやすく噛み砕いて伝えるインフォームド・コンセントに挑戦して頂きたいと思う。

AHSの情報発信をキッカケに、フィラリア感染症で亡くなる犬猫が激減することを切に願っております。

 

参考ツイッターアカウント:@AHS_Think12


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