日本、アメリカ、イギリスなどでは、国内に複数の獣医科大学を抱えており、獣医学を志す学生にとって大学選びは、「卒業後の進路・就職」に大きな影響を与える要素の一つとなる。しかし、入学前にオープンキャンパスなどに参加したとしても、自分に合った大学を見極めることは非常に困難であり、「合わない」ことを理由に大学を中退するケースは珍しくない。この際に、①「合う大学」を選択していれば中退せずに獣医師となっていたかも知れないこと、②中退で空いた枠に別の学生が入っていれば獣医師となっていたかも知れないこと、③獣医師となれる人数は限られていることなどを考慮すると、大学選びをサポートするシステムを構築することは重要であると考えられる。
そこで、5万人以上の利用者（獣医学部生、獣医師）を抱えるオンラインコミュニティであるVIN Foundationは、Vet School Boundというウェブサイトを運営して、獣医学を目指す学生をサポートしている。同サイトでは、以下に示す大学選びの判断材料が、視覚的に分かりやすく表示されている。
◆ウェブサイトで確認できる各大学の基本情報◆
１．授業料
２．入学前の必修科目（日本の入学試験科目に相当）
３．求められる職歴（動物関連職種）
４．1学年の学生数
上記の内容は、個人の下調べでは全体像（図表にまとめるなど）を把握しにくい事項ばかりであり、アメリカ全土の獣医科大学の情報を瞬時に閲覧できるウェブページは貴重である。同様のサービスは、日本の高校生や社会人枠を目指すヒトにとっても有用性が高いと思われるため、日本版Vet School Boundが整備されることに期待したい。
各獣医科大学の情報を「一つにまとめて表示するウェブサイト」を作成することは、獣医師養成の根幹と捉えることが重要だと思います。
参考ページ：
