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ノンフィクション番組「はぐれ者とはぐれ猫」から考える ペット動物の置かれている現状

投稿者:AsaT

先日、名古屋で保護猫シェルターを運営する阪田泰志さん(36)の活動がテレビで放送されていました。阪田さんは革ジャンがトレードマークで自由奔放な気分屋。普通の会社員になることは考えたこともなく、自らを「活動家」と呼ぶ、はぐれ者と紹介されていました。

7年前に自分の行き場を失った時に阪田さんが一人で始めた保護活動だったが、運営するシェルターは火の車に。1000万円もの借金を抱えながら、様々な依頼や相談を受け、たくさんの猫を保護し続けているというのです。

阪田さんは野良猫を見守る人からの相談で不妊手術の手伝いや里親を探すほかに、多頭飼育崩壊した家庭からも相談を受けます。汚れた部屋の清掃と33匹の猫を預かり、不妊・去勢手術を知を知り合いの獣医師に頼みます。その後も里親を探しながら7匹を飼い主に戻し、飼育方法の指導も行っていました。

ほかにも、刑務所に服役する女性が飼っていた猫の保護を引き受けたり、多頭飼育崩壊で猫の世話が難しくなった障がいを持っている人にも寄り添うという内容でした。

自分自身が社会に適合できていないと自覚する阪田さんは、「どんな小さな生き物でもでも命があり、目の前にある“はぐれ猫”の命を守る」ことを信念としています。阪田さんは小さい頃から捨てられた動物を保護しており、そんな阪田さんをいつも祖母が支えてくれていたそうです。これは私見ですが、養老施設で働く人は、祖父母との関わりが深かった人が多いという話を聞いた事があります。阪田さんにもどこか通じるものがあるかもしれません。

阪田さんの信念を理解し賛同する友人や獣医師、近隣の住民の応援もありますが、赤字は続いている状況。それでも、「やれるだけ続ける。捨て猫がいなくなるのが最終ゴールです。」と阪田さんが語り番組は終わりました。

今、コロナ過での異常なペットブームが不安です。獣医療に携わる私達は「動物の命を守ること」にどう向き合う必要があるでしょうか。阪田さんのように保護活動を行う方々にどのように応えていけるでしょうか。
多忙な診療活動のなか大きなことは出来ませんが、せめて診療に来た飼育者にペットの状況、飼育者の状況や相談を受けることでペットの命を守る糸口があるかもしれません。

<動物虐待について>
2011年に報告された動物虐待は29件。
2019年は105件。猫66件、犬27件、検挙人数126人。
2020年102件。対象は犬や猫に限らず、鳩などの動物も含まれる。
2020年に動物保護法改正案が施行され厳罰化されました。動物を殺傷する行為の罰則が5年以下の懲役、または500万以下の罰金。動物の虐待・遺棄は1年以下の懲役または100万以下の罰金。(動物を捨てる遺棄が最も多く、虐待・殺傷と続く)動物虐待では、積極的虐待(暴力を振るう当)とネグレクト(適切な食事を与えない等)があり、多頭飼育崩壊もネグレクトの部類に入る。2020年、保険所に引き取られた犬や猫の頭数は85.897件、8割は所有者不明で子猫が多い。飼い主に返還11.119匹、譲渡41.948匹、残り32.743匹は殺処分。動物の遺棄や虐待に関しては通報・相談の機関も増えている。行政では大阪府に開設した通報ダイヤル「#7122」があり、一般社団法人「クリステル・ブィ・アンサンブル」(東京)動物虐待防止啓発活動「AnimalSOSプロジェクト」がある


https://www.fujitv.co.jp/thenonfx/_basic/backnumber/index-102.html

<フジテレビ ホームページより>

ノンフィクション番組「はぐれ者とはぐれ猫」から考える ペット動物の置かれている現状(写真と記事は関係ありません:PhotoAC)

 

 

 

 

 

 


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