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飼っている犬猫を手離したいと思うオーナーが急増するイギリス

投稿者:武井 昭紘

1月13日現在、感染者数90,335,008名、死者1,954,336名を出した新型コロナウイルスにより引き起こされたパンデミックの影響で「おうち時間」が増えた結果、ペットを飼い始めるヒトが世界的に増加した。そのため、本サイトでは、この現象から考えられる懸念を度々、記事にしてきた。つまり、パンデミックが終息する、あるいは、同ウイルスへの対処方法が整備され「おうち時間」が減った時、ペットが行き場を失うのではないかと主張してきたのだ。そして、この度、残念で非常に悲しいデータが公開されてしまった。どうやら、それによると、懸念は現実のものとなったようである—–。

 

イギリスはスコットランドに拠点を構える動物虐待防止協会(SPCA)は、ペットに纏わるトラブルや悩みを相談するためのヘルプラインを設置している。そこに寄せられた電話において、『ペットを手離したい』という旨の相談が急増しているという。その割合は、実に134%増(昨年9月1日~2021年1月5日の間)。1年前の同期間にて205件であった相談が、476件に増えたとのことである。

 

パンデミックはいつか終息する。さもなくば、きっと人類は、ウイルスと共に生きていく道を見付けるだろう。言い換えると、コロナ禍という未曾有の事態は、近い将来終わりを迎えるのだ。しかし、犬や猫は違う。10年、20年と生き続けるのだ。ペットを手離したいと申し出ているオーナーは、それを念頭に飼い始めたのではないのだろうか。

おそらく、この手の相談は、日本でも同じく増えていくのだろう。すると、当然、殺処分ゼロを目指す保護施設にシワ寄せがいくのだろう。そこで、筆者からの切なるお願いである。どうか、「この時世」にペットを飼い始めた皆様は、今一度、彼らの未来(何年も続くであろう命)との向き合い方を考えて頂けると幸いだ。そして、その結果、コロナ禍が終息した後も、彼らが皆様の傍に居続けられていることを心から祈っている。

『ペットを手離したい』という相談を猫だけに絞ると、前年比151%増になっているとのことです。

 

参考ページ:

https://www.scottishspca.org/news/scottish-spca-134-increase-in-people-looking-to-give-up-unwanted-animals


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