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猫の保護団体を名乗る詐欺?子猫を渡された女性の体験

投稿者:AsaT

たくさんの人に情報が届くようにと願い、ホームページやSNSで犬猫の里親募集を行う保護団体は多く、新しい家族への架け橋になっています。しかし、保護活動を真摯に行う保護団体ばかりではないとしたら……?里親詐欺などの記事を書いている、愛玩動物飼養管理士の古川諭香さんの記事をご紹介いたします。

記事によると、実際に被害に遭った田村順子さん(仮名)は、今年の5月に地元掲示板「ジモティー」で保護団体を名乗る人の里親募集に応募。相手側からは「避妊手術済みで1歳のスコティッシュフォールドであれば、現在募集中」という連絡が来て、保護団体が運営するホームページも送られてきたそうです。

指定されたホームページには代表者の氏名や住所、電話番号などは記されていませんでしたが、「猫の幸せ」と「人の幸せ」両立への思いや、完全室内飼いの推奨、これまでに譲渡した猫の情報などが掲載されていました。サイト内のフォームから申し込むと譲渡契約も兼ねているという連絡があり、順子さんは早く猫と暮らしたい気持ちがあったため、少し疑問を持ちつつもやり取りを進めました。

順子さんは、譲渡費用のことを教えて欲しい旨とスコティッシュフォールドと雑種の子猫で迷っていることを送りました。相手側からの返信には「雑種のきょうだい猫はどうか?」と返信があり、費用については譲渡費用は2匹で6万円で、不妊手術を含まない場合は2匹で3万円と連絡があったそうです。

さらに、「申し込みが殺到しているので早期に引き取れる人を優先しており、できれば今日明日でお願いしたい」とあり、順子さんは了承。翌日に引き取れることを伝え、「雑種の子猫を1匹譲ってほしい」と頼みました。

 

<変わる相手側からの返答>

ところが、ジモティーで連絡を取った時とは違い、相手側は「1匹のみの譲渡はできない」との返信が。疑問に思った順子さんはジモティーで使用していた自身のニックネームで再度質問しましたが、「現状では2匹一緒での譲渡以外は難しい」というものでした。

ところが、その日の20時頃に相手から「抽選に当たったので、あなたに譲渡したい。明日、15,000円持って○○に来てください」と連絡がありました。翌日、指定された場所に行くと、30~40代の男性と赤ちゃんを連れた女性がおり、譲り受けた子猫はなぜか濡れていて元気もない様子。

「シャワーを浴びたばかりで、乾かすのが間に合わなかった。知らない人の前だからびっくりしてるけど、家でトイレやご飯、水を用意して2~3日したらすぐに甘えてきて元気になります」と相手側から言われたそうです。

順子さんの家には先住猫がいるため、子猫のエイズ検査や白血病検査はしたのかと質問。「母猫の検査と一緒になってるから紙はお渡しできませんが、検査は全部陰性でしたよ」と言われ、順子さんは後ほど検査用紙をメールで送ってもらいたいと伝え、譲渡費用を払い連れて帰りました。領収書は後からメールで届いたが、そこにも相手の氏名や住所などは記されていませんでした。

 

<子猫の元気がない

順子さんは自宅で子猫を見守っていましたが、立たせて水を飲ませようとしたら、全く立てないことに気付き急いで病院へ。
獣医師からは「低血糖で低体温。重症で入院が必要」と告げられました。入院のため、エイズ検査をすると結果は陽性でした。残念なことに子猫は譲渡後、1日も経たないうちに亡くなってしまいました。

獣医師さんが保護団体側と話したいと連絡したが繋がらず、ようやく連絡がついたのは翌日でした。話をしたい旨を相手側に伝えると「言った、言わないの水掛け論になりかねないから」と拒否。譲渡費用の返還と治療費の支払いを行うと言われたため、順子さんは振込先の口座や治療費の明細書、エイズ検査陽性の結果を送りました。

その際に、白血病やエイズ検査が陰性だと聞いたことを指摘し、検査結果の紙を見せてほしいとメールで伝えましたが、相手からは「母猫に対してのみ検査を行った」という回答があり、その後は「弁護士に相談し、支払い義務はないと言われたが譲渡費用の倍の金額で和解したい」という申し出があったそうです。

困った順子さんは、ジモティーの運営会社や知り合いの保護団体に相談。相手側には、譲渡初日に子猫の具合が悪くなってしまったことへの疑問や言い分には納得できないこと、約束したのにも関わらず譲渡費用と治療費を支払ってもらえないのならば詐欺として警察に届け出ると伝えたところ、相手側は「脅迫罪に該当します」と逆ギレしてきました。

 

<相手側がジモティーから退会

結局、治療費や譲渡費用の返還はなされず、このメールに恐怖を感じた順子さんは、これ以上返信することができなってしまいました。相手方のホームページも譲渡後に消えており、ジモティーも退会。接触を図ることも難しくなりました。

しかし順子さんは、SNS上で情報を求めることに。すると、この団体に以前10万円を支払い、猫を引き取ってもらったという人に遭遇。自分が預けた猫は本当に無事なのかと、安否を気にする人もいたようです。恐怖を感じながらも、順子さんがここまで赤裸々に語ってくれたのは、同じ思いをする人が現れてほしくないと願ってのことです。

相談を受けた古川諭香さんは「信用できない団体であることは確かです。保護猫を譲ってもらおうと考えている人は、十分に注意してください。悲しい命を増やさないために、譲渡希望者と譲渡側の両方が身分証明書を見せあい、クリーンな関係で行われる譲渡を増やしていきましょう。」と話しています。

動物病院などでも、疑問をもつような経緯で譲渡を受けている飼い主さんが診察に来ることもあるのではないでしょうか。飼い主さんに引き取る際の確認ポイントなどをお伝えできるとよいかもしれません。

猫が死んでしまったショックもあったし、この人と話すこと自体が怖くなってしまいました。住んでいる地域の動物愛護団体に相談したけれど、ペットショップなら介入できるが個人の愛護団体は難しいと言われて。警察にも個人のやり取りには介入できないので弁護士をたててくださいと言われました。どうすればいいのか…


https://news.nifty.com/article/item/neta/12194-884761/

<2020/12/12 niftyニュース>

猫の保護団体を名乗る詐欺?子猫を渡された女性の体験(写真と記事は関係ありません PhotoAC)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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