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増える「珍獣ペット放棄」で生じる大問題

投稿者:AsaT

動物関連のテレビやSNSなどでは珍しい動物やペットが紹介され、興味から飼育をはじめる方が多くなっています。しかし、飼ってみると実際のイメージとは異なったり、扱いが難しく放棄したり、逃してしまうなどのケースが増えているようです。

特定非営利活動法人ランコントレ・ミグノン代表の友森玲子さんによると、渋谷区・千駄ヶ谷にあるミグノンのシェルターには、定期的に警察署の落とし物係から電話がかかってくるそうです。

動物愛護センターで受け入れができない“エキゾチックアニマル”が捨てられ警察に届けられると、ミグノンへ警察からの電話があり100%が受け入れのお願いになる。友森さんはシェルターが満員で他の動物への悪影響を懸念して預かれない旨を伝えると、「餌も何を与えたらいいか分からなので見に来ていただけませんか?」と警察も困った様子で問い合わせてくるそうです。

しかも世にあまり知られていない動物だと、警察も何を保護しているのか分からず、電話だけでは連想ゲームのようなやり取りになってしまうのだとか。この時保護したのは、おそらく“ぺルビアン”という品種のモルモットだった。

動物保護団体でも珍しい動物の受け入れに備えている所は少なく、保護をした後に治療が必要になるとエキゾチックアニマルの場合、診られる動物病院が少ない。また、犬や猫の場合にはボランティアの一環として保護団体割引をしてくれる動物病院はあるが、エキゾチックアニマルはボランティア協力の対応不可な病院もあり、莫大な医療費の負担もかかってしまう。

保護したぺルビアンは、数年間を友森さんの家で世話をしたが、昨年12月に胃腸に“うっ滞”の症状が出て、鎮痛剤などを使用しながら治療を開始。毎日の点滴や注射に合わせて、数時間おきの流動食の強制給餌を行うなどのケアが必要になった。ケアを開始してから一時は元気な様子を見せたり食欲が出たこともあったが、7ヵ月闘病の末、今年の夏に亡くなったそうです。

可愛いから、簡単だからと安易な気持ちで飼育すると、飼い主の家族も飼われる動物も苦労を強いられることもある。ペットショップで小スペースで展示され「このスペースで飼えて、散歩もいらないなら」と購入してしまう人も多い。犬や猫のように鳴かないからという理由で選ばれる品種もいて、飼い主の知識がないまま、狭いケージに閉じ込められて一生を終えるエキゾチックアニマルもいる。

他にも問題がある。日本の気候に適さないエキゾチックアニマルを飼育すると、エアコンの温度管理が想像以上に大切だったり、非常時の備えも大変になるといいます。水害や地震などの際に万が一逃してしまい、近隣に迷惑がかった場合は賠償問題が生じる可能性もある。犬猫であっても非常時の避難が大変なのに、エキゾチックアニマルを受け入れてくれる避難場所はないかもしれない。

災害時に責任を取れるのか、病気になったら医療費を払えるのか、そして、もっとも大事なのは、その生き物を幸せにできるのかを考えて欲しいと訴えています。

可愛い、珍しい、一度飼ってみたかったからだけでなく、その生き物にとって、自分と暮らすことが最良であるのか、飼う前に一度立ち止まって考えてみてほしいと思う。クリスマスやお正月は、ペットを購入しやすいシーズンでもあるからこそ、願ってやまないのだ。


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69201

<2019/12/19 現代ビジネス>

増える「珍獣ペット放棄」で生じる大問題(写真と記事は関係ありません PhotoAC)

 

 

 

 

 

 

 

 


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